社会人としての基本スキルは、様々な場面で求められます。以下にいくつかのスキルを紹介します。
- プレゼンテーション能力
- コミュニケーション能力
- チームワーク能力
- プロジェクトマネジメント能力
- 自己管理能力
これらのスキルを身に付けることで、社会人として成功するための土台を築くことができます。この記事では「コミュニケーション能力」について、探求していきたいと思います。就職、転職活動において役立つ点もご紹介していきます。
1,コミュニケーション能力とは?
対人関係において、意思疎通を図り、協調性をもち、自己表現できる能力のことです。職場や家庭など、社会生活を営むうえで必要であり、自分以外の他者と良好な関係を築くためには欠かせません。
語源
コミュニケーションの語源は、ラテン語のCommunus、Communicatioに由来しており、「共有」「共通」「分かち合うこと」を意味しているといわれています。
手段は2種類
コミュニケーション手段には、以下の2種類があります。
言語
言語コミュニケーションは、自分の意見、意思、考え、価値観、知識、感情などを言葉で伝えるコミュニケーションです。また「伝える」だけでなく、相手からの情報やメッセージを適切に理解し、適切な反応を示すことができる「聴く」スキルも必要となります。対話の他にmailやチャット、SNSなど、手段も多様化しています。
非言語
非言語コミュニケーションは、身振り、手振り、表情、視線、声のトーンなど、言葉以外の部分で情報を発するコミュニケーションです。コミュニケーションは「話すこと=言語」の部分が大事だと思われがちですが、非言語コミュニケーションは言葉以上に大きな役割を果たすといわれています。例えば、話し方の違いで「話し言葉」と「書き言葉」というものがあります。言葉の意味は同じでも、どちらの言葉で聞くかによって印象が随分と変わります。これも非言語コミュニケーションの種類に入ります。
非言語コミュニケーションはどれくらい大事?メラビアンの法則
アメリカの心理学者アルバート・メラビアン博士が提唱した「メラビアンの法則」によると、相手に伝わるのは言語情報(Verbal/話の内容、言葉そのものの意味)がわずか7%で、聴覚情報(Vocal/口調や・速さ・声の質)が38%、視覚情報(Visual/見た目や視線、表情)が55%と言われています。つまり、声のトーン、間、言い方、会話のテンポなどの「周辺言語」や、顔の表情、腕組みなどの「しぐさ」といった言葉以外の「非言語的な要素」が相手に伝わるのに非常に大きな役割を果たしていることが分かっています。
コミュニケーション能力を高めていこうとすると、言語も非言語も含めて、技術を磨いていく必要がありそうですね。
2,仕事の中でコミュニケーション能力が求められる理由は?
企業が注目しているポイントは大きく以下の3つです。
人間関係を円滑にし、協力関係を築くため
どんな仕事でも自分一人では完結しません。ほとんどの場合は他者とコミュニケーションをとりながら仕事を進めていくことになります。相手の意図や感情を理解することや、適切なタイミングでのコミュニケーションをとること、他者と協調したり、柔軟な姿勢で物事と向き合ったりできることが必要となるでしょう。職場での人間関係を良好なものにしていくことは、仕事を円滑に進め、効果的な業務遂行につなげるためには必須の能力だといえます。
情報交換・共有により認識ズレを無くすため
仕事において、双方が知っている情報を互いに提供し合ったり、自分が知らなかった情報を吸収したりするためにコミュニケーションを取ることがとても大切です。認識のズレをなくし、チーム全体が同じ方向に向かって進むためには、「報告・連絡・相談(ほう・れん・そう)」を的確におこなう事が大事です。
報連相とは、仕事において報告・連絡・相談をすることで、情報共有を促進し、円滑な業務遂行を図ることを指します。報告は上司や関係者に仕事の状況や進捗状況を報告することで、連絡は必要な情報を適切なタイミングで伝え合うことで、相談は意見交換や問題解決のために相手と話し合うことを指します。報連相を適切に行うことで、チーム全体が同じ方向に向かって仕事を進めることができます。
仕事をスムーズに覚えるため
就職すると、まず企業の文化や仕事の進め方などを理解する必要があります。また、仕事を覚える上で、適切なアドバイスや指導を受けるためには、上司や同僚とのコミュニケーションが欠かせません。さらに、自分が困っていることをピンポイントで上司や先輩に質問することができるので、仕事をはやく覚えることができます。そのため、コミュニケーション能力は教育において非常に重要な要素となります。
以上のことから、コミュニケーション能力に注目する企業が多く、採用において重視されています。日本経済団体連合会(経団連)が2018年に行った「新卒採用に関するアンケート調査結果」によると、企業が新卒採用時の選考で重視するポイントとして、コミュニケーション能力が近年上位に入っています。
3,コミュニケーション能力が高い人の特徴
スキルが高い人たちには、共通した特徴があります。ここでは、その特徴について紹介します。
相手に「伝わる」ことを意識している
コミュニケーションは、相手がきちんと理解できるように「伝わる」ようにする必要があります。自分のいいたいことを伝えているだけでは、相手にきちんと理解してもらえません。スキルの高い人は、相手に話が伝わりやすく、理解してもらえるように工夫しています。具体的には「相手に伝わる言葉や話し方を選ぶ」「伝えるべきポイントを明確にする」「相手の興味を引く話題を選んでいる」などのポイントがあります。また、相手の表情やリアクションをよく観察し、その感情に合わせた伝え方、話し方を工夫しています。
非言語コミュニケーションを大切にしている
スキルが高い人は言葉だけを意識するのではなく、非言語の部分も大切にしています。声のトーンが低いと印象は悪く、逆に明るいトーンで話しかけられると好印象を抱くものです。また、相手が穏やかな笑顔で聞いてくれていると、安心感があり話しやすくなります。ここを聞いてほしいというポイントでは身振り手振りで示したり、話すスピードをゆっくりにするなど、工夫をこらしています。話の要点を強調するだけで聞き手は内容を整理しやすくなり、話が伝わりやすくなります。
相手の話をしっかり聞くことができる
人は、自分の話をしっかり聞いてくれる人に信頼や好感を抱きます。心理学の世界では話を聴くことを「傾聴」と言います。相手のことをよく知り、また相手に本音を話してもらうために、聴くことはコミュニケーションにおいてとても重要だとされています。話を聴くことで相手が心を開いて話をしてくれたり、会話のヒントを見つけて、そこから会話を発展させていくことができます。「コミュニケーション」=「話す」ことと捉えてしまいがちですが、会話ややりとりは相手とのキャッチボールです。
投げてばかり、自分の話ばかりでは成立しませんし、自分が何を話せばいいかに気持ちが向いていては、相手に意識が向いていないということが相手にも伝わってしまうものです。
意思疎通するためには、相手の話をしっかりキャッチ(聞くこと)を心がけましょう。
4,コミュニケーション能力が低い原因
相手の話を最後まで聞かない
相手の話を最後まで聞かないと、コミュニケーションが成立しにくくなります。相手の話を最後まで聞くという行為は、相手の存在を承認し、大切にすることです。その感覚が得られない人は好感を得られず、やりとりに支障をきたします。また、相手の話を最後まで聞かないと、相手から十分な情報を得ることができず、相手のニーズにあわせた意思疎通を的確にできません。さらに相手が結論を最後に置いている場合には、早とちりしてしまったり、的外れの議論になってしまったりすることも考えられます。相手の話をすべて聞いてから話すように心がけましょう。
言いたいことが伝わらない
コミュニケーションが下手な人の特徴は、伝えることが苦手です。話にまとまりがなく、話の目的や結論が見えないため、一生懸命話しているのになかなか相手に伝わらなかったり、話しているうちに相手をイライラさせてしまいます。対策としては、話をするときには、最初に「目的」や「結論」をしっかりと伝えるようにしましょう。そして話が進むなかでも、その目的を見失わないようにすることが大切です。
相手の意見や価値観を理解しようとしない
自分の意見や価値観を伝えることは悪いことではありません。ですが、自分の価値観や立場ばかりを押し付けていては、双方向のコミュニケーションにはなりません。価値観は人により異なるものです。相手の話に耳を傾けて、自分とは違った意見も理解しようとすることがコミュニケーションの基本となります。
5,コミュニケーション能力を磨くには?
実際に能力向上させるためにはどのような方法があるのでしょうか。ここでは、相手との意思疎通を円滑に行うポイントを紹介します。
第一印象を良くする
人間の第一印象は、出会ってから約3秒という短い間で決まるといわれています。心理学では初頭効果といい、最初に提示した情報が印象として強く残るとされています。第一印象が良ければ初対面の相手でも好意的に会話が進み、今後のコミュニケーションが円滑にできるでしょう。良い印象を与えるポイントは「顔の表情」「声のトーン」です。 相手と会話を始めるときや、挨拶をするとき、笑顔を心がけて明るい声で話しましょう。意識して口角を少し上げるだけでも、相手からの印象は改善します。
上手な人を真似る
仕事を円滑に進めるためには、コミュニケーション能力は欠かせない要素です。
ですから、あなたの周囲にいる仕事のできる人は、コミュニケーション上手な人が多いのではないでしょうか。
そういったできる人の、うまいなと思うところ、自分が伸ばしたいと思うところを、観察して真似していきます。その人の「仕事の頼み方」や、「上司や部下との接し方」、「ビジネスメールの書き方」まで、お手本となる人を真似てみましょう。
また、できる人はつねに周囲への気配りや感謝の気持ちを忘れません。コミュニケーションは相手があってのことですから、その能力を高めるには、まずは自分がされてうれしいと感じることを、同じように相手にしてあげることが大切です。
質問上手になる
適切な質問をすることで、会話が広がり、より相手の意見や、感情、考えを理解することができます。また、質問をし、関心を持って話を聞くことで、相手は「よく聴いてくれている」と安心します。これによって信頼関係が築かれるでしょう。 話のなかでわからないことや気になることは積極的に質問したり、話に広がりが出るように質問を投げかけたりするとよいでしょう。
まとめ
コミュニケーション能力の高い人とは、
「聴く」「話す(伝える)」「人の心理をくみ取る」能力が高いことがわかります。
決して難しいことではありません。
相手の話をしっかりと聴くことだったり、話が伝わりやすいようにと工夫をしたり、基本的なことの積み重ねが大切です。
コミュニケーション能力は、仕事においても、日常生活においても、良好な人間関係を構築する上で重要となるスキルです。言語コミュニケーションだけでなく、非言語コミュニケーションも意識して、実践で取り入れてみてください。
コミュニケーション能力さえ身につければ、大体のことはうまくこなせそうやなぁ、デス。
コミュニケーション以外も大事なことあるでしょ、バカ。
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